全塗装中のアップライトピアノ(KAWAI KS1)
グランドピアノの塗装修理がひと段落して、久しぶりにアップライト全塗装のお仕事です。
それ以外にもいつも通りクリーニングの仕事やスピーカーの全塗装修理も並行してやっていますが、でもやっぱり普通の黒いアップライトの塗装は良いですね。
ピアノ塗装屋の自分にとって、こういうシンプルな普通のピアノ塗装こそビシッと綺麗に仕上げたくなります。
ちょっと木工作業
ピアノをバラバラに解体しているとキャスターがグラグラしているのに気がつきました。
外してみると、土台がボロボロになっているのを発見!
まずはここから直していきます。
ダメになってる部分を削り取り、そこにぴったりハマる埋木を作り接着。クランプ でしっかりと圧着。
翌日、埋めた部分を本来の深さまで削り込みキャスターの取付け穴を開けて出来上がり。
下地(サフェーサー)塗装
ポリ塗装で仕上げるので元々のラッカー塗料を剥がし下地のポリサフ(ポリエステルのサフェーサー)を塗装
このピアノは脚とツマドが金属で作られていて、しかも溶接され一体構造になっていています。
もともと木で作られてた部品ですが、ある時期からはコストダウンのせいかピアノによっては金属やプラスチックでつくられるようになりました。)
こういう部分はポリ塗装では綺麗に仕上げられないのでここだけウレタン塗装です。
表面のラッカーを剥がして金属のサビを落としてウレタンサフェーサーで塗装
一筆書き
これはクリーニング中のグランドピアノの譜面台。
ヤマハののGC1というモデルですが譜面を置くレールの部分は写真の通り金属とプラスチックで出来ています
譜面を立てる部分のパーツにはスウェード調の人工の革が貼ってあります。
大抵の場合、擦り減ってボロボロになってるのですがこのピアノ場合はかなり綺麗な状態。
なのにイタズラ書き。
あ、一筆書き的な?
こういうの、キライじゃないです。笑
でも残念ながらこのピアノはレンタルピアノ。次の方のために渋々貼り替え。
古いものを剥がして新品のエクセーヌをちょうどの幅に切り、貼り替えました。
プラスチックパーツは修理しづらい
古いピアノに使われてるプラスチックパーツと比べて現在のそれはだいぶ質も良くなっています。でも修理の時、交換可能なら良いですが少し古いものになると交換パーツ自体がありません。塗装修理するとなると扱いづらいパーツですね。