ラッカー塗装のベーゼンドルファー275出荷、はだいぶ前だけど、、、
ラッカー塗装のベーゼンドルファー275出荷、はだいぶ前だけど、、、

ラッカー塗装のベーゼンドルファー275出荷、はだいぶ前だけど、、、

ラッカー薄塗り塗装をしていたベーゼンドルファー275が先日出荷しました。

先日と言っても、もう2週間前ですが。

出荷前数日は連日深夜までの作業が続き本当にヘトヘトになってしまった。。。
朝9時から深夜1時頃までろくに休憩もせず、、、しかも1日だけでなく連日。
こんなに働いたのはうまれて初めてかもしれない。さすがにちょっともう頭がおかしくなってしまいそうでした。

出荷ギリギリまで作業していて完成写真も撮り忘れるという始末。残念!

大屋根を乗せたところの写真をたまたま撮っていたのでこの写真で。

今回の仕上げはラッカー薄塗り仕上げだったので、磨き前の“研ぎ”の作業のほとんどは手作業による“水研ぎ”

思い出

手で水研ぎするなんて何年振りだろうかと考えてみたけど、おそらく15年ぶりくらい。
補修で手でちょっと研ぐ、とかはよくあるけど大きな面を小さな当て木で研いでいくなんてのは本当に久しぶり。
修行時代には何台かピアノ全体を小さな当て木だけで研いだピアノもありました。

それらのピアノはとても古くて、現代のピアノとは違い全て無垢の木で作られていて、長年の経年変化で木が反っていたり、捻れていたりと歪みが多くてね。
平面を出す事が出来ないから木の唸りに合わせて小さな当て木(2×4センチくらい)で親板から屋根から全てを耐水ペーパーで手研ぎしました。(塗りはもちろんラッカーやウレタン)

それはそれは手間のかかる作業で、工房内は一日中『シャカシャカシャカシャカ』と水研ぎの音。ラッカーやウレタンは絡み安いから石鹸をちょっとつけながら研ぐんですよ。
懐かしいなぁ。

この手研ぎが上手くなると
“今どれくらい研げているかが音と手の感触でわかる ”ようになってきます。
研ぎが足りてない箇所や十分研げている箇所が音と感触でわかるようになるんです。そうなると仕事のスピードが早くなって仕上がりも良くなる。

逆にそれが出来ないと、、、
魔の連鎖。。。

  • 確認ばかりして、そんなんじゃ終わんねぇよ!(オマエいつまでやってんだよ!)
  • 研ぎが甘い箇所があって仕上がりが悪くなる(オマエは時間ばっかりかけて研ぎが甘すぎるよ!)
  • 研ぎすぎて下地を出してしまって補修or塗り直し(、、、怒)

とよく怒られましたな。。。笑笑

磨きもウール100%のウエスにコンパウンドで手磨き、もしくは水を含ませたタオルバフにコンパウンドっていう原始的な磨き方。(水をはったバケツにポリッシャーをジャバジャバとつけながら。。。)

こんな事やってる人、知ってる人はもうあまりいないのかな。。?
とか、昔のことを思い出しながら、焦りながらも懐かしい感覚を感じつつ作業は続きました。

昔と違い、使ってる当て木やサンドペーパーは現代風になってますが、手で研ぐ様子をブログに上げてみようとちょっと動画を撮ってみました。(誰の参考にもならないかもしれないけど。。。まぁ自己満ですね)

まぁこんな感じで研いで磨いて。。。とフルコンをラッカー塗装したのは初めてだったので相当やりがいがありました。
塗装途中の写真は何枚かあったので載せておきたいと思います。

ラッカー塗装の塗り肌はしっとりとしていてとても良い感じです。
ポリ塗装、ウレタン塗装、それぞれに良さがあると思います。
作業のしやすさとか色々あるけど、仕上がりの質感もそれぞれの良さがあると思っています。

でもラッカー塗装はやっぱり好きです。特別ですね。

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