ピアノ塗装仕上げの種類
ピアノ塗装仕上げの種類

ピアノ塗装仕上げの種類

いきなりですが、ピアノ塗装 という言葉
実はピアノの塗装業界では使われていません。どこから始まったのでしょうか。 建築業界かな?それともオーディオ業界かな? どちらにしても ピカピカに鏡のように磨き上げられたピアノの様な塗装仕上げ という事でしょう

プロのピアノの塗装屋にとって艶出し仕上げを鏡の様にピカピカに仕上げるのは当たり前の仕上げだから、わざわざピアノ塗装なんて言わないんですね。以前からとても違和感を感じていました。そもそもピアノの塗装はピカピカだけじゃないですし。。。

でも考えてみたら『ピアノ塗装』って分かりやすくて良いですね。
これからはコレ採用していきたいと思います。たださっきも言った通りピアノ塗装=ピカピカだけじゃないので

ピアノに施される仕上げ=ピアノ塗装 という事にしたいと思います。

前置きは以上でピアノ塗装の主な種類です。
(写真は実際に当工房で仕上げたものを使用しています。)

ポリッシュ(鏡面仕上げ)

仕上げに使う主な塗料 の種類/ ポリエステル、ウレタン、ラッカー

ピアノ』と言えばこの仕上げを想像される方が多いと思います。
主にポリエステル塗料を使い塗面を平滑に研ぎあげた後、完全に艶が出るまで磨き上げます。クリアであれば、木目の個性や美しさを特に際立たせる仕上げでもあり、黒であればより深みを感じさせる高級感のある仕上がりになります。

いわゆるピアノ塗装と言われるのはポリエステル塗料を使ったこの仕上げで、ウレタン塗装、ラッカー塗装の場合は雰囲気が少し変わります。

サテンフィニッシュ

仕上げに使う主な塗料の種類 / ウレタン、ラッカー

サテン仕上げ はポリッシュでの磨き作業の代わりに艶消しの塗料を吹き付けて仕上げる方法です。
鏡面に磨くわけではないですが、下地塗料をいかにフラットに研ぎ上げるかと、上塗り塗料の希釈率と下地肌のキメ細かさの兼ね合いが仕上がりの美しさを左右します。

艶の消し具合は様々で(全艶消し〜半艶消しなど)塗膜表面は平滑で均一、あまり光を反射せず上質で落ち着いた雰囲気が特徴です。

基本的に木目仕上げの場合、木目の美しさを活かすため、完全な艶消しにはせず少しだけ透明感のある7分消し(70%艶消し)を採用しています。

一般的な家具や建具などの仕上げとしてもよく採用されています。

この黒のサテンは全艶消し 独特の雰囲気があり一部の人からはかなり人気があります。

全体は黒の艶消しでも一部を木目の艶出しにするパターンもあります。
木目がより一層際立ってとても綺麗です。

オープンポア

仕上げに使う主な塗料の種類 / ウレタン、ラッカー

このオープンポア仕上げでは『ポリッシュ』や『サテン』の下地作業で行う目止め(メドメ:木地の導管を埋め平滑な塗膜表面を作る作業)をせず木の表面の凹凸を残し主に艶消しに仕上げることにより、木の持つ自然な暖かみを活かした仕上げをする事ができます。

こちらも家具や建具などによく使われる仕上げ方でもあります。

ヘアライン

仕上げに使う主な塗料の種類 / ラッカー、ウレタン

ヘアライン仕上げは、上塗り塗装を平滑に研ぎ、細かいサンドペーパーやスチールウールなどを使い均一で細かいラインを施す仕上げです。ラインのキズの細かさにより艶消し〜半艶に仕上がります。
ラッカー塗料を使う事によってヘアラインが白く目立ち過ぎる事なく、落ち着いて深みのある艶感に仕上げる事ができます。

ただ、欠点を挙げるとすれば、ラッカー塗料の性質上その他の塗料と比べて塗膜が弱いため、キズが付きやすく触る部分はすぐに艶が出てきてしまいます。
比較的早いうちに使用感が出てきますので、捉え方によっては味のある仕上げとも言えるでしょう。

フレンチポリッシュ

仕上げに使う主な塗料の種類 / アルコールニス

フレンチポリッシュは、セラック(シェラック)という天然素材を使った伝統的な塗装方法
綿を丸め生地でくるんだパットを使ってアルコールに溶かしたセラックを薄く塗り重ねていきます。

日本的に簡単に言えば ”タンポずり” 
上等なバイオリンやガットギターなどにも施されています

アンティークな雰囲気の仕上がりです。

(no image)

2件のコメント

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