美しい木目をみると興奮する
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もうすぐ修理が完了するポール・リード・スミス “PRS” のギター
その中でもこれは『プライベートストック』と言って PRS社のベテランマスタービルダーが売り物にしたくないほど贅沢に労力と希少な材を使って仕上げた、いわゆる『ハンドメイドの1点物』的シリーズ
お値段もギターとしては高額、余裕で3桁万円
(これってすごい高いんですよ!ピアノと比べちゃうとね、、あれですが。ピアノは高い物だと新品価格は余裕で2000万円超えてきますもんね。家ですね。家が買えます)

でもこれは、なんとポールリードスミス氏本人が手掛けた1本かもしれないということで。
だとしたら超々貴重な1本ということになります。
ヘッドの裏には手書きでプライベートストックの文字とシリアルナンバー、そしてサインも入っています。

さすがプライベートストック
めちゃめちゃ綺麗な木目(フレイムメイプル)です。しかもその木目を際立たせるように色をかけて塗装されています。
ネックも木目がすごいですねー

インレイもやばいっすね〜
指板もヘッドもー
こういう仕事をみると本当にワクワクします

イイデスネ〜〜〜

修理内容

んで、今回の修理内容はというと
「自分で直そうとして収拾がつかなくなった」シリーズ
今回はお店の人がやっちゃったパターン
ピアノでもよくある「何もせずに持ってくればもう少し簡単に直せたのに。。。」シリーズです。

何を直そうとしたかというと。。。

ラッカーの溶けと変色

こういったギターの塗装はラッカー塗装。ラッカーはゴムとかに接触していると反応してしまって溶けてしまいます。
ギタースタンドに接触してた部分の塗装が溶けてしまい、削って磨いて直そうとしたら色まで削れて取り返しがつかなくなってしまったということで、元通りにしてほしいと。

わかりますかね? 削った部分の色が薄くなっちゃってるの

早速作業開始です
あ、、それ以外にもボディの表と裏にある小さな打ちキズやへこみも直していきます

それにしても本当に綺麗な木目だなぁ〜 写真でも綺麗に見えるけど、実際にみるともっと輝いてるように見えるんですよー

出来るだけオリジナルを損なわない修理

ギターに限らずこういうプレミアムな、それ自体が大切なものの場合は修理の手をなるべく少なくするように心がけてます。(出来るだけ部分的に小範囲に。)
例えば、面で削ってしまって塗り直せば修理は簡単になりますがその分オリジナルの部分を損なってしまうことになります。

なので今回も色が残っている部分はそのままに、薄くなってしまってる部分だけに色をのせて塗装していきます。(塗装の難易度はめちゃくちゃ高くなりますがギターにとって絶対にその方が良いので)

ちなみに先ほどの部分だけじゃなくボディのバックにもスタンドのゴムによる変色があって、その部分も変色が消えるまで削り落としました

まだラッカーは残っていますが色はやっぱり薄くなっちゃいましたね。
こんな風に微妙に色をのせてあるんですね。
あとわかりますかねぇ、色の境目をみると緑がかった黄色(黄色がかった緑?)をのせてるのがわかります。
茶色が薄くなったように見えますが実際は茶色じゃないですね。(茶色もわずかに使ってますが)
茶色じゃない色を使って茶色にしてるんですよ。
木が持ってる茶色を引き出すために違う色を使うんですね。

このギターの色の渋みのキモは緑がかった黄色です。ストレートに茶色をかけると濁る方向に傾いちゃうでしょうね。
そのせいで抜けるような木目の色味が出せてるんですねー

こういうのがマジで勉強になるというか、木ってすごいなぁーと、面白いなぁーと思うんですよね
塗装はほんと奥が深すぎますよ。ヌマですヌマ。

あと少しで完成

基本的には色が無くなったところだけに色をのせてクリアコート(クリアーはやっぱり面でかけました)もちろんニトロセルロースラッカーで。
現在乾燥中なのでもう少ししたら平らに研ぎ磨いて仕上げようと思います。

美しすぎる!!!

バック(裏面)は何でもない木目かと思いきや、とんでもない!
裏も最高グレードの木材です
磨き上げるのが楽しみです!

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