愛媛県の『しまなみピアノ』からご依頼いただいてるYAMAHAのU2の全塗装。
今回はそのピアノの底板修理です。
「底板」はペダルなどがついている一番下(底面)のパーツ。

この底板、3つに割れてしまってます。今のピアノ(といってもだいぶ前からだけど、、、)の底板は合板で作られているのでこの様に割れてしまうことはないんだけど、昔のピアノはこの様に矧ぎ合わせた無垢の板で作られてるので経年変化による木材の変形と接着剤の劣化で割れてしまうことが多いですね。

修理方法としては、底板を新しい材料で作り直すかこのオリジナルの底板を修復するかっていう事になるんですが、今回のピアノは個人のお客様のもので、しかも思い入れもあるピアノですのでオリジナルのパーツを修復する事にしました。
実際に底板の材が湾曲している写真は撮り忘れてしまいましたが、↓下の画像の様な感じで変形したままだと接着強度が不安なので(特に後者、逆反りしてるもの)まずは矧ぎ合わせ面の直線出しから


プロの木工屋さんの様な手押し鉋などは無いのでホームセンターのパネルソーで直線切りしてもらったコンパネを治具としてトリマーで直線を出すことに。

それぞれの接合面を0,5〜1mmくらい削って直線を出して

こんな感じでバッチリ
そして接着。
だけど、実際は接合面の湾曲だけじゃなく上下方向の反りやねじれもあって、単純な芋矧ぎでは強度的にも不安があったので今回はビスケットを使ってビスケットジョイントとしました。

これがビスケットと言われるダボの代わりのようなもの。ちょっと美味しそうですよね?
ピスケットジョイントの溝掘りの写真も見事に撮り忘れ
そしてようやく接着


ビスケットを使ったので矧ぎめの目違いも最小限でバッチリです
多少の段差とはみ出た接着剤をきれいに削り黒ラックを塗り直して底板の修復は完成




本体の全塗装はもう少し先になる予定ですが、問題が一つ解決して一安心です。