塗師屋blog – ビンテージギターのリフィニッシュ他
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先週末は午前中個人的な用事で外出し、その間工房ではベヒフルコンの下地作業などを進めてもらっていました。

写真は1回目のサフェーサーを研いだところ。
本来は手間を最低限に抑えるため下地塗装は1回で収めたいところ、最初から2回に分ける前提で作業することもあります。
無理矢理1回塗りで進めることももちろん出来ますが、古くて痛みの激しいものの場合は少し手間をかけることで無駄な厚塗りを避け、楽器を劣化から守る事+装飾的な美しさを表現する、という本来の目的を最大限に実現するためにやっています。(もちろん常にではなく楽器の状態や修理予算によりますが、、)
このベヒシュタインフルコンの場合は特別に拘ったご依頼をいただいているわけではありませんが、こちらの作業の都合でとても長い間お預かりしてしまっているので出来る限り丁寧な作業をしています。

そして午後からは長らく乾燥時間をとっていたフェンダーの’65ストラトキャスターを依頼主であるリペアマン宅に納品。結果から言うと、とても満足してもらい『どんな風に仕上がるかすごく楽しみ』と言ってもらってホッとすると同時に色々試行錯誤して頑張った甲斐があったなぁと。

この仕事は、本物の ’65 ビンテージストラトキャスターをリフィニッシユしながらもリフィニッシユなどしていない自然な劣化を再現するという仕事の一部です。最終的なレリック加工はそのリペアマンが施すのですが、塗装と木工加工の一部はこちらで担当させていただきました。再塗装でありながらできる限りオリジナルを再現するという事で残っている塗装部分からオリジナルの塗装工程を推測し可能な限り再現するという面白い作業。

フェンダーのソニックブルーと言われる色なのですが、下地にはイエローそれも残った部分から推測するに普通に黄色の塗装をしているのではなく木目の中に淡い黄色が入っていることから黄色系に着色し目止めして薄く下地塗装し、仕上げはソニックブルーで塗装。もちろん塗料はオリジナルを再現するという事で可能な限り純ニトロセルロース系ラッカーを使い、かつ長年の紫外線による退色や塗料の劣化を再現するため良く触る部分とあまり触らない部分の日焼けや経年変化なども表現しました。トップとサイドとの角も’65らしい丸みにするなど細部まで出来る限り再現しています。

今の段階は塗装までの途中経過。この後、依頼主であるプロリペアマンがより使用感を出し経年キズやウェザーチェック(劣化による塗装のひび割れ)なども施し完成していくはずです。完成写真を送ってもらうことになっているのでとても楽しみにしています。

そして最後の作業はGP鍵盤蓋の研ぎ作業を進めました。新品よりも綺麗に仕上がるように作業していきます。

こんな感じで作業は進んでいきます。今回も全剥離から塗装、真鍮ロゴも新しいものを入れ再塗装
今日は磨きまで進みました。

『写り込んだ活字もはっきりと読めるほど平滑』とよく言ったりしますが、ピアノ塗装屋からしたら当たり前。。。あれ?

読みにくいなぁと思ったら写ってるのは反転している。読めるけど読めない・・・笑笑

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