グランドピアノの譜面台をアンティークな雰囲気の透かし譜面台へ
透かし譜面台のご依頼
グランドピアノの譜面をアンティークなデザインの透かし譜面台に替えたいというご依頼。
透かしの譜面台は国内でちゃんとしたものを作っているところはないので、いつも海外に注文しています。
国内で作っているところもあるにはありますが。。。質が良くない。
材質もMDF(MDFとは簡単にいうとパルプを固めた素材、紙を固めた様な素材)MDFはコストも安いし加工も簡単で扱いやすいけど強度も弱いですし、木目もありません。
なので値段は多少張りますが海外から良質なものを取り寄せて使っています。
左はオリジナルの譜面台で、右が海外から取り寄せたバーチ合板+突板仕様の譜面台
このように白木(シラキ、塗装されていない木のまま)の状態で届きます。
下地塗装
下地塗装の段階
仕上がりの色のベースになる色を決め、下地塗装をしています。
グランドピアノの譜面台は何段階かで角度を調整することができます。通常の譜面台なら1枚の板なので裏側の好きな位置に角度調整用のパーツ(鳥居トリイと言います)を設置できますが、透かし譜面台の場合は隙間だらけなので取り付ける位置が限られます。
オリジナルのパーツを流用できれば簡単なんですが、なかなかそうはいきません。譜面台のデザインに合わせて新規に製作していきます。
この段階ではどんな鳥居を作ってどこにどうやって着けるかまだ決まっていませんでした。。。
上塗り塗装
透かし譜面台の上塗り塗装が終わった状態です。
ウレタン塗装することもありますが、今回はポリ塗装
この時、角度調整のためのパーツ(鳥居)も製作して一緒に塗っているんですがまたまた写真は撮り忘れてしまいました。。。ほんとダメですね。アハハ
このように細かな透かしがある場合ウレタン塗装の方が簡単なんですが譜面台は傷がつきやすいパーツなのでメンテナンス性を考えるとポリの方が向いています。
ただちょっとテクニックが必要で、というのもこの細かな透かしの内側部分を後からペーパーを当てて隅々まで磨き上げるのは至難の業なので、平面を塗り上げるのと同時に側面の細かい部分全部がテカっと艶が出るように塗装します。
(ちょっとテクニックと言いましたが、、、実は激ムズです笑笑。でもこれをやればポリで内側の面も平面も角も綺麗に仕上げられます)
最終磨き〜組み立て
ポリの上塗り塗装にペーパーを掛け磨いて出来上がりです
角度調整用の鳥居つけるヒンジの穴はのちのち塗膜の割れが起きないようにリーマーで揉んでから取りつけ
そして今回塗装しなかったその他の部分も当然ながら綺麗に磨き上げ
元々の譜面台と鳥居もバッチリ磨き上げてお返しします。
(またこの譜面台を使いたくなったらいつでも交換できるように、お客様が処分して欲しいと言われない限り交換したパーツは基本的にお返ししています。)
そして完成したのがこちら
各部の動きを確認して微調整して完成しました。
透かし譜面台に交換すると一気にゴージャスに、そしてアンティークな雰囲気に一気に変わります。
パーツ代や作業代を考えると決して安くはありませんが、こうやって少しカスタムするとより愛着も増してさらに特別なピアノになりますよ。