出張でのペダル木工修理
出張でのペダル木工修理

出張でのペダル木工修理

今日は久しぶりの出張修理でした。
普段の出張修理は塗装修理がほとんどなんですが、今日は珍しく木工修理で横浜市内のライブハウスへ。

今回はグランドピアノのペダルの楔(クサビ)切れ。写真を見てもらうとわかりますが抜けてはいけないところが抜けてきてしまってる。
本来ならペダルをお預かりして持ち帰って工房で作業するべき修理ですが、ほぼ毎日使っていて時間に余裕がないということで現場で即日修理することにしました。

まずはペダルを取り外しペダルをバラバラにしていきます。

底板を外してペダルも外して
カワイグランドのペダルはこうなっていて、この部分もネジで留まっています。
このパーツを取り外すとやっと脚のジョイント部分が出てきます。

今回はこの部分のトラブルです。経年劣化で木が痩せるとか毎日酷使しているせいでジョイント部分に隙間が出来てしまって抜けてきてしまっているわけです。
とはいえこのままじゃ完全には抜けません。クサビが入っているのでね。
少し加工してバラしていきます

調律師さんはもちろん、ピアノ修理技術者さんでもここまでバラバラになってるペダルを見ることはほとんどないと思います。
実際のところ古いピアノの修復をしているとかなりの確率でこういう部分はダメになっています。(ペダルに限らず脚とかもクサビ切れでグラグラになっていることがあるのでうちの工房ではバラす時に必ずチェックする部分です)

そしてバラしていると新たな問題が。。。
依頼部分とは反対の上側もダメになってます。

本来1ミリも動いてはいけない場所なんですがこんな感じでグラグラ。。。

今すぐ使えなくなってしまうわけじゃないですが毎日酷使していたら時間の問題ですねここも。
ということでお店の方と相談し、ここも追加で修理となりました。結局すべてのパーツを完全にバラすことに。

ここまでくると100%バラバラです。

せっかくバラバラにしたので隅々まで各パーツの汚れを落としてペダルなんかも磨き、新しくクサビを入れ直して。。組み立て。

制限時間がある中で予定外の追加加工もあり、かなり集中して時間もギリギリ間に合ったー 結局、全力本気修理となりました。笑

今回は接着とクサビだけじゃなくちょっと工夫した補強もしてこんな感じ。
本体に取り付け、各ペダルの働きも再調整しなおして最適な動きに。
そしてお客様にチェックしてもらって。

『ペダルってこんなにしっかりと動くんですね!』『しかも新品みたいにピカピカになって嬉しい!』と、とても喜んでいただきました。
「本来こういう感じなんですよー」なんて話ながら喜んでもらう喜びをヒシヒシと感じて。

こちらもお客様からスペシャルなものをいただいたような良い1日になりました。
ありがとうございました。明日からの工房修理も一層頑張っていけそうです!

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