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四国のピアノ屋さんからお預かりしているアポロのアップライトの鍵盤蓋塗装修理
塗装の仕様はマホガニーポリッシュ(ワインレッド系の木目鏡面仕上げ)です
この修理は鍵盤蓋の上面(表面)のキズとクラック(塗装のヒビ割れ)による塗装修理でした。
最初の状態
![](https://pianotosou.com/wp-content/uploads/2022/07/EE8BC6BD-06BB-4D01-8962-C5E316A9F2DE-1000x724.jpeg)
今回のように平面に入ってしまっているクラックやキズは修理した箇所がわかってしまっても良い場合を除き、面の全体の塗装を剥離して再塗装するのが基本です。
でも剥離してしまうと色も全てなくなってしまうので木目の色合わせが必要になってしまいます。
これがまた難しくて厄介なんです。
ポリ剥離
塗り替える必要がある部分をまず剥離
剥離もポリの場合、剥離剤を使っても簡単には剥がれてくれないのでそれはそれで厄介
こんな感じで剥離剤を塗ってなるべく剥がします(動画)
ポリエステルは剥離剤をもってしても完全には剥がれません。
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特に削り落とすのが大変そうな部分ほどしっかり残ってる
剥がれるまで何度も剥離剤を塗るとシミなどが出来てしまうので残った部分は人力で削り落とします。
![](https://pianotosou.com/wp-content/uploads/2022/07/896DF664-A8B4-432D-8C6F-44BB63DF3E7F-1000x750.jpeg)
木地をキズつけないように注意しながら、ここまで剥離すればとりあえずバッチリ
着色から塗装
木目のピアノの塗装はただ単純に木に色をつけて(木地着色)クリア塗装をしているだけじゃありません。
まず、“木” 自体に色をつけて、その上に半透明の色を重ねて、さらにそこからクリア塗装という具合です。
(さらに厄介なのは、クリア塗装といっても完全な透明ではないこと。ポリ塗装の場合は塗料の硬化時に紫〜薄緑とかなりの変色をするので、色合わせをする場合にはそれも踏まえた色にしておかないといけません。ラッカーはやや飴色、ウレタンはかなり透明に近い。という感じ)
それに加えて塗装修理するような古いピアノは当然経年劣化していて劣化による塗装の変色もしています。
一部のパーツだけを他とまったく同じ色に塗り直すのは不可能と言っても良いくらい難しいのです。(言い訳に聞こえますね。笑)
木地調整〜木地着色
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最初の着色をして基本的な色味を合わせます
塗膜着色(苦行)
さらに塗装で色を寄せつつ木目の濁り具合とか塗膜のくすみ具合を合わせます。
この作業は瞬きも忘れるくらい集中します
(ここまで来るともう後戻りはできません。ミスったら剥離からやり直すことになり、一発で大赤字)
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ポリ塗装
本来ならポリ塗装にも集中力が必要ですが、苦行(色合わせ)の後なのでもう無心で塗るだけという感じ。
目を閉じたままでも塗れるんじゃないか? という境地に達します。笑
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仕上げ
ここまでくれば木目でも黒でも同じ。
いつも通り平滑に研いで磨くだけ♪
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![](https://pianotosou.com/wp-content/uploads/2022/07/6EF46226-C85F-4130-A367-8AF1870A069C-1000x750.jpeg)
![](https://pianotosou.com/wp-content/uploads/2022/07/B9070D1A-894B-4B89-9265-78E15C2E4B9F-1000x750.jpeg)
仕上がりはこんな感じ。
ん〜〜どうでしょう。。。なかなか良い感じだと思いますが。
仕事としていただいたご依頼なので全力で作業しています。
ただ、完璧を目指した自分としてはまだもう一歩かなと思うところもあり。
こういう修行になるような仕事の依頼は本当にありがたく、感謝感謝です。
いつかもっと完璧な仕事ができるように練習あるのみです。