Zimmermann(ツィンマーマン、ツィンメルマン)旧東ドイツのメーカー
先日、そのZimmermannの鍵盤蓋ネームロゴ部分がおかしいので直したいとお問い合わせいただいてお預かりする事になりました。
話を聞いてみると数年前に中古で購入されて 「中古だから。。」と目をつぶっていたそうですが、やはりどうしても気になるとのこと。(ピアノを弾く時目の前に見える『顔』のような部分ですから気になりますよね)
あるピアノ塗装業者に修理の問い合わせもしたそうですが、ネームロゴが入手出来ないから修理不可能と言われ困っていたようです。
このZIMMERMANN GP145 は元々ポリッシュ(艶あり)のベビーグランドでクラシカルなデザインのカッコイイ(可愛い?)ピアノです。そして特徴的なのか鍵盤蓋の内面が平面ではなく湾曲していてセクシーな形をしているところ。実はこのモデル、過去に10台近く全塗装したことがあり好きなデザインのピアノの一つでもあります。
問題のネームロゴ部ですが、『一応修理してあるようです』とお聞きしてまして、見てみると。。
あー、、なるほど。
ちょこちょこと文字が欠けてしまってますね。赤で示したところは無くなった部分を金色で描いてあります。
そのほかも色々問題がありますね。
このネームロゴは0.1mmくらいの極薄の真鍮で塗装の中に埋められています。きっと錆びていたか何かで削り出そうとして削り過ぎて無くなってしまったという感じです(この手のピアノはわかってない人がやると確実にこういう失敗をします。そしてそんな失敗をする人は絶対に直すことも出来ません。こういう修理をする技術者やそれを売る販売業者には言いたいことが山ほどあるんですが今はぐつと我慢しておきます。)
サテン(艶消し)サンバーストで全塗装されているのもきっと訳があるでしょう。。。
さて、気を取り直して修理です。
そして、任せていただいたからには絶対に良い状態にしてお返ししますのでご安心ください。
このネームロゴは当然もう使えないので別のもので作り替えて修理することになります。
お客様にも説明し、納得いただいて修理開始です。
下地になっているオリジナルのポリの塗膜にも問題があるのでまずは塗装を剥がすところから始まりました。
ちなみに古いネームロゴですが、もう使えないのは解っていてもなぜか毎回慎重に綺麗に剥がしたくなっちゃいます(笑)
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