Zimmermannの鍵盤蓋のネームロゴ修理の塗装作業、追加で譜面台も綺麗にしたいと言うことで追加で合わせてご依頼いただいたものが完了し、お客様のお宅までお届けしてきました。
このご依頼の始まりは、中古で購入した再塗装済みグランドピアノの鍵盤蓋ネームロゴの部分がきちんと修理されておらず、それをなんとかしてほしいと言うものでした。
鍵盤蓋の修理はネームロゴの部分が酷いのと、所々削りすぎて窪んだしまっている状態。
譜面台は塗装のヒビ割れがいたるとこに入っていたり突板が浮いていたりと酷い状態でした。
これまでにも修理してくれる業者を探して問合せなどをされていたようですが修理不能と言われて困っていたようです。
今回の修理
状態チェック
Zimmermann(ツィンマーマン、ツィンメルマン)旧東ドイツのメーカー
先日、そのZimmermannの鍵盤蓋ネームロゴ部分がおかしいので直したいとお問い合わせいただいてお預かりする事になりました。
話を聞いてみると数年前に中古で購入されて 「中古だから。。」と目をつぶっていたそうですが、やはりどうしても気になるとのこと。(ピアノを弾く時目の前に見える『顔』のような部分ですから気になりますよね)
あるピアノ塗装業者に修理の問い合わせもしたそうですが、ネームロゴが入手出来ないから修理不可能と言われ困っていたようです。
問題のネームロゴ部ですが、『一応修理してあるようです』とお聞きしてまして、見てみると。。
あー、、なるほど。
ちょこちょこと文字が欠けてしまってますね。赤で示したところは無くなった部分を金色で描いてあります。
そのほかも色々問題がありました。
このネームロゴは0.1mmくらいの極薄の真鍮で塗装の中に埋められています。きっと錆びていたか何かで削り出そうとして削り過ぎて無くなってしまったという感じ。
このネームロゴは当然もう使えないので別のもので作り替えて修理することになります。
お客様にも説明し、納得いただいて修理開始です。
塗装の剥離
下地になっているオリジナルのポリの塗膜にも問題があるのでまずは塗装を剥がすところから始まりました。
〜木地調整や木工修理
まず塗料を剥離して必要な木工修理をして、そのあと木地調整〜塗装の下地処理と進みます
〜下地塗装〜色合わせ
ポリエステルの下地塗装が終わり、上塗りの準備段階まで進みました。
下塗り段階でおおよその色合わせはしておき、この後の上塗りの工程で色と艶を合わせていきます。
〜上塗り 艶消し塗装
もほぼ終わり、真鍮のヒンジ類も磨きあげて、後は各部フェルトを貼り組み上げるだけとなりました。
お客様が気にされていた部分以外の直されず残っていたキズや突板の剥がれなども全て完全に直してあります。フェルトなどを貼り組み上げて完成です。あと少しだけお待ちくださいね!
今回の塗装はピアノ全体のバランスを考えて前の塗装屋の肌に合わせて仕上げようかどうしようかと思いましたが、鍵盤蓋と譜面台 ピアノを弾くとき目の前にあるので否応なしに目につく部分だし、せっかく私に依頼してくださったのだから弾くたびに綺麗だな〜と気持ちよくなってもらいたいのでビシっと綺麗な肌にしました。
今回の修理のまとめ
各部のフェルトなどを新しく貼り直し取り外して磨いた真鍮パーツ類を取り付け完成
ほとんどのネジ穴がバカになっていたので埋め木などをしてバッチリと固定。
本体とのバランスもよく問題なく取り付けでき、お客様もとても満足していただけたようでした。
こちらも良い仕事をさせていただきお客様に感謝です。